鶏びあ
養鶏法“平飼い”の特徴
ニワトリの育て方に関しては、養鶏場によってそれぞれ採用している方法が異なります。様々な養鶏法の1つに、“平飼い”というものがあります。
今回は、平飼いの概要や特徴、他の養鶏法とはどのような違いがあるのかなどを中心に解説したいと思います。
平飼いの概要
平飼いとは、鶏を鶏舎内、養鶏場の屋外で地面に放し、自由に運動できるようにした養鶏法をいいます。
具体的には、屋根のある平飼い鶏舎で飼う方法、野外で飼う方法、野外運動場付きの平飼い鶏舎で飼う方法の3つが該当します。
平飼いの際、オスとメスを同居させて、有精卵を生産する養鶏場も存在し、雛が孵る卵である種卵を生産する種鶏場も、有精卵にするために平飼いを採用しています。
また、ブロイラーを含む肉用鶏も多くは平飼いであり、日本農林規格（JAS）は、地鶏と表示するためには、28日齢後に平飼いすることを条件としています。
ケージ飼いの概要
平飼いと対比される養鶏法に、ケージ飼いというものがあります。
こちらは、名前の通り鶏をケージ（鳥かご）に入れて飼う方法であり、日本の養鶏場の実に90%以上はこちらの養鶏法を採用しています。
鶏舎の中で縦横いっぱいにケージをくみ上げるため、少ない面積で多くの鶏を飼うことができ、餌やりや集卵といった管理が容易なのが特徴です。
また、人件費や設備費などのコストダウンができることもケージ飼いのメリットですが、鶏がケージにぶつかってケガをする可能性があったり、自由に歩き回れないことによって、鶏にストレスがかかったりする可能性があります。
ちなみに、欧米では食品の安全性、動物福祉、環境保護の観点から、ケージ飼いを禁止している国も多く、欧州連合（EU）では、2012年から従来型ケージでの養鶏が禁止されています。
平飼いのメリット
平飼いの一番のメリットは、やはり鶏たちが思うように動き回ることができる点です。
歩き回り、地面をほじくって餌を探すのは、家禽化された現在の鶏の祖先とされるセキショクヤケイの野生での行動に近いです。
その他にも、狭いところに隠れて卵を産んだり、50～60cmほどの高さの木で眠ったりと、鶏本来の行動を制限しないことにより、ストレスが軽減されると考えられています。
また、平飼いのニワトリは、自由に動き回ることで体力がつき、病気になりにくい健康な身体に育ちます。
そして、平飼いされる鶏は、適度な運動をすることにより、肉質や卵の質が向上します。
前述したように、地鶏の条件に平飼いの日数が定められているのも、肉質を良くするための工夫です。
ちなみに、平飼いされる鶏から生まれた卵は、生臭さが少なく、濃厚で旨味とコクのある卵本来の味わいを感じることができます。
鮮やかな黄身と粘度の高いプルプルとした白身で、箸でつまんで持ち上げられるほどの濃厚さ、生命力を持っています。
平飼いの注意点
平飼いは、鶏を野生に近い状態で育てることにより、ストレスを軽減できる養鶏法ですが、いくつか注意点もあります。
例えば、土中をほじくり返すことにより、害虫を食べてしまう可能性がある点や、餌の取り合い、鶏同士の喧嘩が起こりやすい点などには、十分注意しなければいけません。
また、鶏がフンの上を歩いてしまうなど、ケージ飼いに比べて衛生管理が行き届かなかったり、鶏や卵の大量生産が難しかったりする点も大きな課題です。
平飼いと放し飼いの違い
平飼いと似た養鶏法の1つに放し飼いがありますが、こちらは結論からいうと、平らな地面で飼う平飼いの一種です。
放し飼いと聞くと、緑豊かな土地に鶏が放たれ、飼われているというイメージを持つ方も多いかと思いますが、このような方法を実践するのは難しいのが実情です。
鶏を野外に放す場合は、その四方を防鳥ネットで覆い、他の動物と接触しない環境を作らなければいけません。
特に、鳥インフルエンザが大きくクローズアップされて以降、ウイルスを保菌した野鳥や野生動物と接触する可能性のある養鶏法は、家畜保健所からの指導により、禁止されています。
さんわの名古屋コーチンは平飼いで養鶏しています！
さんわが取り扱う名古屋コーチンは、他の鶏と交配させることなく、純血を保った希少な地鶏です。
また、名古屋コーチンは光と音に敏感であるため、さんわグループの農場では、光、音、温度、湿度を調整し、なおかつ鳥インフルエンザ対策に有効なウインドレス鶏舎を採用しています。
そして、配合飼料にもこだわり、一羽一羽に飼育員の目がしっかり行き届く規模の農場（1坪33羽以下）で平飼いすることにより、名古屋コーチンに与えるストレスを極力減らし、大切に養鶏しています。
このようなこだわりが、噛みしめるほどに溢れ出すコク、噛む度に音がするほどの引き締まった食感、そして濃厚な卵の黄身を作り出しています。
まとめ
ここまで、養鶏法の1つである平飼いの特徴やメリット、他の養鶏法との違いなどについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか？
鶏にストレスを与えない平飼い、独自にブレンドされた飼料など、さまざまなこだわりによって育てられた「さんわの純鶏名古屋コーチン」は、オンラインショップから購入できます。
精肉や加工食品を取り揃えていますので、ぜひ購入してみてください。
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