鶏びあ
焼き鳥の希少部位にはどんなものがある?①
焼き鳥は多くの種類があり、鶏以外を串打ちしたものも合わせると60種類以上にもなるといわれています。定番のねぎまやもも、つくねやぼんじり以外にも、希少部位と呼ばれる、一羽の鶏から取れる量が少ない部位が人気を集めています。
今回は、焼き鳥の希少部位をいくつかピックアップし、それぞれの特徴について解説していきます。
ふりそで
最初に紹介する希少部位はふりそでです。こちらは、焼き鳥の“食べてみたい希少部位ランキング”でも1位に輝いていて、多くの方に注目されています。(リクルートライフスタイル調べ)
味は程良く脂が乗っていながらも、さっぱりとした味わいで、ももや手羽元よりはあっさりですが、むねよりはジューシーというイメージです。
ふりそでは、鶏の手羽元と胸の中間にあたる部位で、人間でいうところの肩になります。“とりトロ”と表記されることもあり、スーパーでも時々販売されていますが、この場合は肩肉と表記されていることが多いです。1羽あたり50g前後しか取れないため、焼き鳥屋さんでも1日数本程度しか提供できないことがあります。
名前の由来は諸説ありますが、鶏の羽を着物の振袖に例え、肩を動かせば羽が動く、つまり肩を動かせば振袖が動くということから、肩の肉をふりそでと呼んでいるという説が濃厚です。
白子
鶏の精巣である白子は濃厚でクリーミーな味わいで、魚類の白子よりも独特なクセが少なく、食べやすいと感じる方が多いようです。定番の塩、たれだけでなく、ポン酢の味付けも人気です。
白子は精巣ですので、当然ながらオスの鶏しか持っていない部位です。1羽から2つしか取れません。また、国産の鶏肉の多くを占めている若鶏(ブロイラー)は少ない飼育日数で出荷されるため、精巣のサイズが小さく、飲食店で提供されるには不向きです。種鶏や地鶏などのような長い飼育日数が必要となり、そのぶん貴重な部位となっています。
ちょうちん
ちょうちんは、鶏のきんかんとひもを一緒に串に刺し、焼き鳥にした部位です。
ちょうちんでは、きんかんとひもでそれぞれ異なる味を楽しめます。きんかんは卵の黄身のような味で、噛むと濃厚な味わいが口に広がります。ひもは単体では少し淡泊な味でコリコリとした食感です。きんかんとひもを一緒に食べると、歯ごたえのあるひもにまったりしたきんかんが絡まります。
ちょうちんは鶏のどこの部位かというと、メスの鶏の卵巣の中で、卵の形になる前の卵黄の部分をきんかん、卵が産卵されるまで、きんかんが通ってくる輪卵管や卵巣にあたる部分をひもといいます。鶏1羽から串1本分しか取れないため、非常に希少な部位です。
ちょうちんという名前の由来は、きんかんを下にして持つと、ひもに吊るされている提灯に見えることだと言われています。
おび
おびは、鶏もも肉の内側にある、筋の少ない部位です。1羽の鶏の左右2つのもも肉から1つずつ、計2つしか取り出せない希少部位で、水分量が多く、プリプリ、モチモチとした牡蠣のような食感から、オイスターミートやチキンオイスターなどとも呼ばれています。
おびはもも肉の一部分ですので、ご自宅でも簡単に取り出すことができます。1枚ももの中央辺りの、身が厚く盛り上がった部分にあり、筋目に包丁を入れることで切り出せます。もも肉を使って料理をする際にぜひお試しください。
おびという名称の由来は、もも肉の一部の厚い部分が着物の帯を巻いているようだからという説が濃厚です。