鶏びあ
何肉が好き?~お肉の特徴~
お肉は私たちの食卓に欠かせない食材であり、美味しいお肉には人を幸せにする力があります。
また、一口にお肉といってもさまざまな種類がありますが、皆さんはどれがお好きでしょうか?今回は、代表的なお肉から少し変わったお肉まで、それぞれの特徴について解説したいと思います。
牛肉
牛肉の主な部位は大きく9つに分けられ、他のお肉と比較すると、部位ごとの特徴がハッキリしています。
例えば、肉質が柔らかいリブロースやサーロイン、ヒレなどはステーキ、グリルなどに向いていて、ネックや肩といった硬めの部位は、シチューなどの煮込み料理に向き、加熱するほど柔らかくなります。
肉色は鮮やかな、わずかにオレンジ色がかかった赤色をしていて、キメが細かく、純白でネットリした脂肪のものが良いとされています。
また、ハツやレバーといった牛の内臓は、味や食感が独特ですが、ビタミンや鉄など、貴重な栄養素を豊富に含んでいます。
豚肉
豚肉は淡紅色で肉質が柔らかく、脂肪が肉と層状になっているという特徴があります。
一般的に牛肉や鶏肉と比べ脂肪が多いとされていますが、近年は嗜好の変化から脂肪の少ない品種に改良されています。ヒレやもも肉といった部位を選べば、よりヘルシーに食べられます。
豚肉はタンパク質やビタミンB1が多く含まれていて、脂質には不飽和脂肪酸が含まれています。脂肪は融点が低く、口の中の温度でも溶けるため、冷しゃぶなどの冷たい料理にも向いています。
鶏肉
鶏肉には、むね肉やもも肉、ササミや手羽先といった部位がありますが、どの部位を使用しても、大体の調理法にマッチするという特徴があり、食材としては非常に便利です。臭みも少なく、やわらかいため食べやすいお肉です。
宗教上の理由や文化背景により、牛肉や豚肉は食べられない国もありますが、鶏肉はこういった食のタブーに触れることが少ないこともあり、世界中でも広く好まれています。
栄養素は、身体をつくる成分であるタンパク質を豊富に含んでいます。牛肉や豚肉と比べて低脂肪、低カロリーで、むね肉やもも肉は皮を取るとよりヘルシーに食べられます。
手頃な価格でクセのない味のブロイラー(若鶏)は利用しやすく、しっかりとした味付けや、香辛料を効かせることでより美味しく食べることができます。一方、地鶏は国により定められた規定をクリアする必要があり、また銘柄鶏は独自の飼料や飼育方法等が採用されているため、ブロイラーと比べて価格が高めですが、そのぶん豊かな風味と歯ごたえがあるため、鶏肉本来の味を楽しむシンプルな料理に向いています。
馬肉
馬肉は牛、豚、鶏などの一般的なお肉と比較すると鉄分やタンパク質が多く含まれており、薬膳料理に好んで使用されます。低カロリーかつ低脂肪な非常にヘルシーなお肉です。
味は生と焼いた状態ではまったくと言って良いほど異なります。馬刺しで食べられる生の馬肉は、舌の上でトロッととろけるのが特徴です。一方、焼いた状態の馬肉は脂を感じつつも、あっさりとした風味です。牛や豚など、他のお肉では焼いたときに少し重い脂を感じますが、馬肉は比較的軽い脂です。
鹿肉
鹿肉は、脂肪が少なくあっさりとした味わいです。それでいて、まるで高級な牛肉のような旨味、モチモチとした食感があり、実はお肉自体にはクセがほとんどありません。そのため、牛、豚、鶏以外のジビエを最初に食べる方には、鹿肉はおすすめです。
また、鹿肉はお肉であるにもかかわらず、青魚に多く含まれるDHAが含まれています。その他、たんぱく質や鉄分が多く、鹿肉に含まれるヘム鉄と呼ばれる鉄分は、人間の身体に吸収されやすく、貧血や冷え性を予防する働きを持っていると言われています。
鯨肉
鯨肉は、部位にもよりますが高タンパクで低脂肪、低カロリーのお肉で、近年は赤肉にバレニンというアミノ酸が多く含まれることも分かり、美味しい健康食として期待されています。
部位としては、霜降り肉を思わせる尾の身、マグロに匹敵する味といわれる背や腹の赤肉などが人気で、こちらは高級食材として知られています。また、舌にあたるさえずり、脂肪層の本皮など、珍味とされる部位が多いのも、鯨肉の特徴です。
主な調理方法としては、下味をつけた鯨肉に片栗粉をまぶし、油でカラッと揚げた竜田揚げや、竜田揚げにケチャップなどのソースを絡めたオーロラ煮、醤油や砂糖で甘辛く煮た大和煮などがあり、新鮮なものは刺身で食べられることもあります。
猪肉
猪肉は別名“ぼたん”とも呼ばれるもので、牡丹の花のように濃い赤色であることや、堂々とした獅子と牡丹の花を描いた図柄を表す言葉“獅子に牡丹”の獅子と猪をかけたことなどが名前の由来です。
豚肉と比べると味が濃く、こちらは赤身の部分だけでなく、脂身も同様です。また、しっかりとした弾力と甘味、旨味が感じられ、脂身の部分は脂の濃い味わいがあるにもかかわらず、さっぱりとしていてくどさがありません。
代表的な猪肉料理であるぼたん鍋には、ロースやもも肉、バラなどが使用されることが多く、こちらの部位はビタミンB12や鉄といった栄養素を豊富に含んでいます。
兎肉
兎肉は、肉質が非常に柔らかいのが特徴であり、肉部分も臓器も食べられます。
主にフランスやスペイン、マルタといったヨーロッパ地方で良く食べられ、高タンパク低脂肪でありながら、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、カリウム、リンなどを豊富に含んでいます。
また、味や食感が鶏肉に近いことでも知られていますが、調理方法によって食感が変わり、内蔵を取り出して血抜きをしなければ、多少の臭みが残ることがあります。
ちなみに、兎肉はオスよりもメスの方が美味で、オス肉は硬く、メス肉は比較的しっとりとしています。
参考:日本食品標準成分表 肉類