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なぜ唐揚げといえば鶏肉なのか?

ほとんどの方は、“唐揚げ”と聞くと“鶏の唐揚げ”をイメージされるかと思います。実際、世間でも鶏の唐揚げを“唐揚げ”、それ以外の唐揚げを“〇〇の唐揚げ”と呼ぶのが一般的です。
今回は、唐揚げに鶏肉が使用されることの多い主な理由や、他の唐揚げの特徴などについて解説します。

唐揚げの定義について

唐揚げといえばと鶏の唐揚げが一般的ですが、定義としては、鶏肉に限定されているわけではありません。
唐揚げは、揚げ油を使用した調理方法、またはその調理された料理全般を指し、食材に小麦粉や片栗粉などを薄くまぶして油で揚げたものは、すべて唐揚げと定義されます。そのため、魚を使用したものや、野菜を使用したものも、上記の調理方法であればすべて唐揚げに含まれるということです。

唐揚げに鶏肉が使用されることが多い理由

唐揚げに鶏肉が使用されることが多い理由は、単純にこちらの調理法に向いているからです。
具体的には、以下のようなポイントが向いているとされる理由です。

・硬くなりにくい
・コラーゲンの量が少ない
・水分が多い
・脂の溶ける温度が低い
・味が淡泊で調理しやすい

硬くなりにくい

鶏肉は、他の肉と比べて硬くなりにくいという特徴を持っています。
そのため、揚げたてはもちろんのこと、冷めてもしっとりと柔らかい状態をキープできるため、唐揚げに向いています。

コラーゲンの量が少ない

一般的に、体が大きいほど肉に含まれるコラーゲンの量は多くなります。
コラーゲンといえばプルプルしていて柔らかいというイメージがありますが、実際は65℃以上になると硬くなってしまうという性質を持っています。
つまり、コラーゲンの含有量が比較的少ない鶏肉の方が、高温の油で揚げたときに硬くなりにくいということです。

水分が多い

前述の通り、鶏肉は硬くなりにくいという性質を持っていますが、こちらは他の肉と比べて水分が多いことが理由です。
また、水分が多いことにより、唐揚げを作る際の下味が染み込みやすく、しっかりした味付けの唐揚げが完成します。

脂の溶ける温度が低い

肉に含まれる脂は、その種類によって溶ける温度(融点)が異なります。
また、鶏肉は他の肉と比べて、以下のように融点が低いです。

・牛肉:45℃前後
・豚肉:40℃前後
・鶏肉:30℃前後

人の体温は36℃前後であるため、冷めて固まってしまった唐揚げを食べる場合、鶏肉の脂は口の中でもっとも溶けやすく、美味しさを感じやすいと言えます。

味が淡泊で調理しやすい

鶏肉は、牛肉や豚肉のように味の主張が少なく、淡白な味です。
そのため、しっかり味付けをする唐揚げとは相性が良く、調理がしやすいのです。

鶏の唐揚げの起源

現代における鶏の唐揚げが外食メニューに登場したのは、昭和7年頃です。
大正14年に創業した現在の『三笠会館』(東京・銀座)が、昭和7年に銀座一丁目に開業した鶏料理専門の支店で生まれたといわれています。営業不振だった支店で当時の料理長が知恵を絞り、打開策として考案したのが鶏の唐揚げだったのです。
その後、多くの養鶏場があった大分県北部で、唐揚げ専門店も誕生したと言われ、大分県中津市は市内に60店以上の唐揚げ専門店が並んでいます。
「唐揚げ」という名前の料理は、江戸時代初期に中国から伝来した普茶料理にもありますが、これは豆腐を小さく切り、油で揚げ、さらに醤油と酒で煮たもので現在の唐揚げとは別の料理です。今の唐揚げに近い料理法は、煎出や衣かけなどと呼ばれていました。

牛肉、豚肉の唐揚げは存在しない?

日本でよく食べられる肉といえば、鶏肉以外にも牛肉、豚肉がありますが、これらを使用した唐揚げはあまり見当たりませんし、家庭で作られる機会も鶏肉に比べると圧倒的に少ないです。
牛肉や豚肉の唐揚げがほとんど作られない理由は、やはり鶏肉に比べて水分が少なく、揚げるとさらに硬くなり、パサパサになってしまうことが挙げられます。
また、水分が少ないことにより、下味も浸透しにくいため、思い通りの味に仕上がりにくいです。
ちなみに、中華料理では、酢豚など唐揚げと同じような手法で豚肉を揚げる料理があります。
しかし、これらは仕上がると唐揚げとはまったく別の料理であり、唐揚げのようにしっかり油で揚げるのではなく、あくまで肉を小さくカットしてサッと揚げる、いわゆる油通しをしたものになります。

その他の唐揚げの種類や特徴

ここからは、鶏肉以外の材料を使用した一般的な唐揚げの特徴を見ていきたいと思います。

フグの唐揚げ

フグの唐揚げは、調味料で下味をつけ衣をまぶしたフグの身をサッと油で揚げた料理で、サクサクとした衣の食感と、ふんわりとしたフグの身の組み合わせが絶妙な一品です。
家庭や居酒屋などではシロサバフグ、フグ刺しやフグ鍋をメインとする料理屋では、トラフグを使用することが多いです。

タコの唐揚げ

タコの唐揚げは、居酒屋の定番メニューとしても人気の一品で、サクッとした衣、噛み応えのあるタコの食感が食欲を増進させます。
居酒屋などで提供されているものの中には、ビールが進むように、衣にスパイスを加えたフライドチキンのような味付けのものも多いです。

ゴボウの唐揚げ

ゴボウの唐揚げは、シャキシャキした歯ごたえが特徴で、噛めば噛むほど美味しさが広がっていきます。
また、皮つきのまま衣をつけて揚げると、ゴボウの風味が一層感じられるようになります。

唐揚げと竜田揚げは何が違うのか?

唐揚げには鶏肉が使用されるケースが多いですが、竜田揚げにおいても、主に使用される材料は鶏肉です。
唐揚げと竜田揚げの違いは、下味と衣の定義にあります。唐揚げは、何で味をつけるかについては自由ですが、竜田揚げは本来は醤油、みりんベースの調味料に漬け込みます。また、唐揚げの衣にはさまざまな粉が使用されますが、竜田揚げは主に片栗粉が使用されます。

まとめ

ここまで、なぜ唐揚げといえば鶏肉が多いのかを中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
美味しい鶏の唐揚げを食べたいという方は、ぜひさんわの醤油麹唐揚げ塩麹唐揚げといった商品をお試しください。
また、家庭で美味しい唐揚げを作りたい方に向けて、こだわりの精肉もご用意しておりますので、そちらもぜひチェックしてみてください。

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