鶏びあ
骨付き肉が美味しいワケ
鶏肉と言えば、普段の料理には骨のない一枚肉を使う方が多いかと思いますが、手羽先などの骨付き肉も特別感があり人気があります。全国には、鶏の骨付き肉を使ったご当地グルメがありますし、クリスマスの時期は骨付きチキンが定番です。
今回は、鶏の骨付き肉が美味しい理由を中心に解説します。
鶏の骨付き肉が美味しい4つの理由
鶏の骨付き肉が美味しい理由として、以下のことが挙げられます。
・骨に髄液が含まれているから
・ジューシーな仕上がりになるから
・縮みにくいから
・かぶりついて食べるから
骨に髄液が含まれているから
フライドチキンなど、鶏の骨付き肉でつくる料理は、骨なしの肉にはない不思議な美味しさがあります。美味しさの理由として、コラーゲンやうまみがたっぷり含まれている髄液があります。
ローストチキンなど、鶏肉を十分に加熱したのにもかかわらず、骨や骨の周りが赤くなっていて不安になった方がいらっしゃるのではないでしょうか?それが血液の元となっている髄液です。
髄液は十分に加熱すれば問題なく食べられるので、心配はいりません。むしろそれが骨付き肉にしかない美味しさの元になっているのです。
ジューシーな仕上がりになるから
骨付き肉は、骨が付いている分、骨なしの鶏肉よりも火の通りが遅くなります。肉がじっくり加熱されるため、水分の蒸発が抑えられ、ジューシーな仕上がりになります。
また、骨の周りにはコラーゲンが多く含まれます。コラーゲンが加熱されて変化したゼラチンは、水分を抱え込み肉がしっとりジューシーに仕上がります。
縮みにくいから
鶏の骨付き肉は、線維が骨に引っ張られ、ピンと張った状態になっています。そのため、加熱によって肉が縮むことが少なく、焼く前の大きさを保ったまま、柔らかい食感を楽しむことができるのも魅力です。
かぶりついて食べるから
フライドチキンなど、鶏の骨付き肉を使用する料理の多くは、手に持ってかぶりついて食べます。このようにかぶりついて食べるスタイルが、普段と違う特別感がありおいしく感じさせてくれます。
骨付き肉はさまざまな調理法に向いている
鶏の骨付き肉は、揚げ物や焼き物、煮物など、さまざまな調理法で美味しく食べることができます。
特に、鶏の骨付き肉と野菜を合わせたスープや煮物は、じっくり時間をかけて煮込むことにより、肉の旨みが野菜に染み込み、野菜が本来持っている甘みとの相乗効果が期待できます。
また、煮物は余計な油を使用しないため、カロリーは低くなりますし、肉と野菜の旨味があるため、余計な塩を使う必要がなく、減塩にもつながります。
鶏の骨付き肉を使用したご当地グルメ
全国各地で食べられている鶏の骨付き肉を使用したグルメには、以下のようなものがあります。
・手羽先の唐揚げ(愛知)
・骨付鶏(香川)
・山賊焼(山口・長野)
手羽先の唐揚げ
手羽先の唐揚げは、愛知県名古屋市のご当地グルメで、名古屋めしの代表的な存在です。
手羽先はゼラチン質(コラーゲン)と脂質が豊富で、他の部位と比べても旨味が強いのが特徴の部位です。
手羽先を唐揚げにしてタレを塗り、塩、胡椒、白ごまなどを振りかけて仕上げます。パリッとした食感とスパイスの効いた味が特徴です。一般的には、醤油をベースとした甘辛いタレで味付けされますが、その味付けも店舗の個性が出る魅力の一つです。
鶏三和でも独自のたれ、スパイスを使用した手羽唐セットを販売しております。ご家庭でも簡単に調理できますので、ぜひこだわりの味をお試しください。
骨付鶏
骨付鶏は、香川県丸亀市のご当地グルメです。
塩コショウとニンニクで下味を付けた骨付きの鶏もも肉を焼いたもので、丸亀市にある『一鶴』という居酒屋の創業者が、ハリウッド映画に登場したローストチキンをヒントに売り出しました。その後、一鶴が横浜市や大阪市に進出し、現在ではうどんに次ぐ香川県の名物として注目されています。
オーブン窯などでじっくりと焼いた骨付きのもも肉は、表面と皮はパリパリと香ばしく、肉からしたたる肉汁はとてもジューシーです。
山賊焼
山賊焼は、山口県岩国市のご当地グルメで、骨付きの鶏もも肉にニンニク風味の照り焼き風のタレを絡め、一本丸ごとオーブンやグリル、炭火などであぶり焼にしたローストチキン風の料理です。イメージとしては前述した骨付鶏に近いですが、骨付き肉に限らず、単に鶏肉の照り焼き風を山賊焼と称することもあります。
長野県の中信地方にも「山賊焼」と呼ばれるご当地グルメがあります。こちらは鶏もも肉をたれに漬け込み、片栗粉をまぶして揚げた料理です。発祥や由来は諸説ありますが、一説には、山賊は物を“とりあげる”から、“鶏を揚げる”料理を「山賊焼」と呼ぶそうです。
長野県の主に松本市と塩尻市で提供されており、塩尻市ではしおじり山賊焼の会が定めた「材料は骨付き鶏肉」「ニンニクを効かせた醤油だれに漬け込む」「片栗粉をまぶして揚げる」という3つのこだわりに従って山賊焼が提供されています。長野県の山賊焼は2000年代から本格的なPR活動が始まり、毎年3月9日を「山賊焼の日」としてイベントも行われています。